高 原 町 の 植 物 3

高原町にはどんな植物が生えているのだろう

2006年〜2007年掲載分

ノササゲ:
 11月末には流石に草木も枯れてきてさみしい。その枯葉色の中にひときわ目立つ紫色のマメガラが木の間にぶら下がっていました。実物はこの写真よりももっと鮮やかな紫色に輝いていました。
(2007.12.15)
















タンナトリカブト:
 雑草の間からよわよわしく顔を出して咲いていました。昔、上高地から穂高に行く登山道に屹立したようにたくさん咲いていた記憶があり、余りの違いに驚きました。図鑑で調べたら、上高地辺りで咲いているのはヤマトリカブトでこの辺りではタンナトリカブトと種類が違うことを初めて知りました。
 勿論、その毒性はどちらのトリカブトも同じで猛毒ですのでこの生えていた場所は公表できません。
 尚、この猛毒の根のことを附子(ブシ)と呼びます。
蛇足ながら、狂言で「ぶす」という演目が有りますが、この附子のことでしょう。(2007.11.15)









オオマルバノテンニンソウ:(トサノミカエリソウ
又は ツクシミカエリソウ)
 別名 トサノミカエリソウと書いてある図鑑もあれば ツクシミカエリソウと書いてある図鑑もありますが、この辺りでは単にミカエリソウと呼んでいます。
 10月 2日、矢岳登山を決行。駐車場から約2時間で頂上に到着。ミカエリソウは一輪だけ咲いていても余り目立たない花ですが、頂上直下の斜面一面がこの花で埋まっているのは流石に 壮観でした。登山の疲れも吹き飛ぶ景色でした。(2007.10.15)









ツチトリモチ:
 一見キノコのように見えますが、ツチトリモチ科の多年草です。クロキやハイノキの根に寄生するので葉緑素がありません。
 昨年、本で、高原町を含めた霧島山系にも自生している、ということを知りました。今年は5月に花の咲いているハイノキを見つけて確認しておきましたのでミカエリソウを見に行く途中にこのツチトリモチを探しながら行きました。時期が早かったのかたった一輪しかありませんでした。
 しかし、なんという綺麗な朱色でしょうか。自然の造形は素晴らしいと感じました(2007.10.15)。











                            ヒュウガギボウシ

 ヒュウガギボウシとコバギボウシ:
8月の末とはいえ真夏並みの日が照りつける8月27日に久方ぶりに後川内の霞ヶ丘に行って来ました。
シイタケ用の雑木を切り払った跡にコバギボウシが群落と言えないまでも沢山咲いており、その辺りを一巡するとヒュウガギボウシも3株ほど咲いていました。
 ヒュウガギボウシは四国南部、宮崎県、鹿児島県にしか自生しておりません。ギボウシの花は紫色と思い込んでいたのでヒュウガギボウシの白い花は新鮮な驚きでした。(2007.9.15)















        コバギボウシ





ヒルガオ:
 散歩道の畑の草の中で 1本だけ咲いていました。図鑑によればめったに結実しないと書いてありました。しかし間もなくこの畑の地主さんが草と共に刈ってしまい、実が出来たかどうかはわかりません。
 今年の夏は毎日とても暑い日が続いています。こちらに来た2004年には最高気温が35℃を越した日は7月、8月で3日ほどでしたが、今年は35℃以下の日の方が少ないくらいです。これも地球温暖化の影響でしょうか。(2007.8.15)

















ナワシロイチゴ:
 今年は雨の日が多く、あまりナワシロイチゴを食べる機会がありませんでした。子供の頃に食べたものですが、こんなに酸っぱかったかと不思議な気がします。
 6月の初旬にはクマイチゴが、そして6月下旬にはこのナワシロイチゴが食べ頃です。2004年引越してきた頃はたくさんの野生イチゴが珍しくてジャムを作りました。味はクマイチゴが最もよく、クサイチゴもまあまあです。このナワシロイチゴは種が多くて舌に触って美味しさは今ひとつよくないような気がします。(2007.7.15)






 


イワカガミ:
 5月27日、高千穂の峰の頂上より高原町側に 20m ほど下った所に可憐な花が群生していました。
 愛知県にいた頃、三重県の鈴鹿連峰に登山したときによく見かけました。鈴鹿連峰では標高500m程の比較的低い所に生えていて、葉ももっと大きかったように記憶していました。
 私の持っている図鑑に注があり、「すこぶる多型な種で……、葉は長さ幅とも10センチ内外になるオオイワカガミ、その他に分けられる。」と書いてありました。(2007.6.15)




えびね:
 高原町のシイタケ原木用の雑木林の中にひっそりと咲いていました。写真では色がよくないですが、薄い赤紫色で、とても上品な色の花です。
 エビネはほとんど天然自然のものはもう無いといわれていましたが、ここにはキエビネも含めて3種類のエビネが咲いていました。(2007.5.15)





















ヒトリシズカ:
 高原町でも後川内地区は高千穂の峰から遠く、しかも霧島山麓とは異なる地形をなしています。したがってそこに生える植物も若干ではあるが異なるように思われます。
 昨年末か今冬にシイタケの原木を切り出したと思われる山の斜面に楚々と咲いていたヒトリシズカです。去年までは雑木林の木陰の下でひっそりと咲いていたのが、今年は日が強く当たる山の斜面になってしまうので、来年が心配です。(2007.4.15)




















フキノトウ:
 2月の末に近くの空地で撮った写真です。食べようと思ったのですが、既にこのように花が開いてしまっていました。
しかし、我家のフキノトウはそれから10日も過ぎて食べました。場所によって随分花期が異なることを知りました。来年はもっと早くこの空地に行ってフキノトウを食べたいものです。(2007.3.15)




















テイカカズラの種:
 いつもの散歩道に沢山落ちていた頭に毛をつけた種。どの木の種だろう、どこから飛んで来たのだろうと、見回しましたがよくわかりませんでした。図鑑で調べてみたらテイカカズラの種でした。
 翌日よく見回したら道路から少し奥に入った木の上の方に絡みついたテイカカズラがありました。(2007.2.15)















ハナミョウガ
 ハナミョウガとは言うものの花は余りパッとしませんが、初冬に林縁に赤い実をつけます。実は縦1.5センチ、横1.2センチほどの楕円形でとても目立ちます。林縁や林の中にたくさんあり、これを集めて正月の花飾りにしました。(2007.1.15)













 右からカラスウリ、オオカラスウリの青い実、オオカラスウリのなれの果てです。
 オオカラスウリはカラスウリのように皮がテカテカと綺麗な色にならずにしぼんでしわが出来、色も茶色っぽくなってしまいます。葉の落ちた桜の木などにいくつもこの汚いような実がぶら下がっているのをみるとわびしい気持ちになります。
 尚、オオカラスウリの青い実は手に取ると重い感じがします。ちなみに計量してみたら、147gもありました。(2006.12.15)









タムラソウ:
 10月に更新したヒヨドリバナやツルボと同じ場所に10月末に咲いていたタムラソウです。
 最初見たときにはアザミの一種と思いました。図鑑にも「…外見はキルシュウム(アザミ属)のように見えるが…」と書いてありました。
 この時期にはリンドウがこのタムラソウの周りにたくさん咲いていました。(2006.11.15)




















       

         ヒヨドリバナ                                    ツルボ

 私の家の近くに畑と雑木林の間がゆるい傾斜地になっている草原があります。幅は10 mほどで長さは50 mくらいしかありませんが四季折々に色々な花が咲きます。但し、地主さんが草を刈るタイミングにより年により花の種類が異なってきます。右のツルボはこの秋に地主さんが通り道として草を刈った後に咲いていたものですし、左のヒヨドリバナは腰まである草の間から顔を出して咲いているものです。下のノヒメユリもここで咲いていたものです。9月の下旬はワレモコウ、ノダケ、サイヨウシャジンなどが咲いていました。(2006.10.15)


ノヒメユリ:
 8月初旬に、腰近くもある雑草の中から首を出して咲いていました。この花全体の大きさは大人の指 2 本分より少し大きいくらいしかない小さい花です。葉も細く可憐というより、貧弱という感じの花です。この花はいわゆるユリの中でもっとも小さいものでしょう。(2006.9.15)



















         オオカラスウリの花                           カラスウリの花

                                           

             キカラスウリの花                       開きかけのカラスウリの花

カラスウリとオオカラスウリとキカラスウリの花:
 朝の散歩の時気付いて朝8:時ころに撮ったのが上段左の写真です。カラスウリは夕方暗くなると 見る間にこのようなレースを広げたような幻想的な花が咲いてきます。見ていても飽きない光景です。
 しかし、念の為図鑑で調べたらカラスウリは「暗くなる頃咲き、日の出前にしぼむ」と書いてありました。よく調べたらオオカラスウリのようです。
 その後、夕方の散歩の時にオオカラスウリと道を挟んだ反対側にカラスウリの花を発見しました。
 昨年の秋にキカラスウリの実を見たところを思い出して写真を撮ってきました。オオカラスウリとキカラスウリの花はよく似ていますが、葉をさわるとオオカラスウリはざらつき若干ふぁ、とした感触があります。これに対してキカラスウリはざらつかず、つるつるした感触で、明らかに光沢があります。(2006.8.15)


ママコノシリヌグイ:
 この花の名前を漢字で書くと「継子の尻拭い」となります。この花の茎も葉の裏の脈にも鋭いトゲが一杯ついています。この葉でお尻をぬぐわれたら大変です。「継子いじめ」ということばが盛んに使われた時代の命名でしょう。今は「継子いじめ」ということばは死語に近いのでちょっと驚きます。もっともいまでも「継子いじめ」はあるようですが……。
 よく似た植物でイシミカワというがありますが、葉の柄が葉の下に付くことと、花がこの写真のようには余り開きません。(2006.7.15)










ギンリョウソウ:
 御池を見下ろす雑木林で大きな木の写真を撮っていたら足元にギンリョウソウが咲いていました。
 ギンリョウソウはイチヤクソウ科の植物で、林中の落葉の積もった所に生える腐生植物です。ですから葉緑素がありません。図鑑によれば花期は6月から8月と書いてありしたが、この写真は4月30日に撮ったものです。










           ムラサキケマン                            ジロボウエンゴサク

愛知県の私の住んでいた所ではムラサキケマンを見ることは出来なかったように思います。しかし、ここ高原町では単なる田んぼの畦草です。
 雑木林や杉林の縁にムラサキケマンにそっくりな形で花数を減らしたような花を見かけます。最初はムラサキケマンの栄養不足の花ではと、思っていましたが、よく調べたらジロボウエンゴサクでした。図鑑によれば昔、伊勢地方ではこの花を次郎坊、スミレの花を太郎坊とよび、たがいにキョ(苣)をひっかけ、引き合って遊んだという、と書いてありました。(2006.4.15)

クロガネモチは落葉樹?:
 図鑑によればクロガネモチは常緑高木となっています。しかし、どういうわけかこのあたりでは落葉樹となる木があります。2月ころから落葉し始め、3月になるとほとんど落葉し、4月に新芽が出るまでの間はこの風景を見ることが出来ます。ただ全ての木がなるわけではないようですし、年によって落葉の度合いが異なります。04年に街路樹がほとんど落葉し、不思議な光景になりました。この地域が寒いせいかとも思いましたが、宮崎市内や鹿児島県でも見かけましたので何故落葉するのか私にはわかりません。知っている方教えて下さい。
(2006.3.15)
















サネカズラ:(06.1.22撮影)
 近くを散歩していたら南向きの雑木林の土手に赤い実が目立ちました。秋に実が色づいたはずなのに今まで気がつきませんでした。別名のビナンカズラは枝の皮の粘液を頭髪を整える為に用いたことに由来すると物の本に書いてあります。(2006.2.15)

   葉がくれに現れし実のさねかずら         高浜虚子

   名にしおはば逢坂山のさねかずら
            人に知られでくるよしもがな   三条右大臣
                                 (百人一首)







ミミズバイ:
 御池の周りの雑木林の中に黒い実を一杯つけた木を見つけました。黒い実はちょっとダルマ型の変な形をしています。千葉県以西、四国、九州に自生するそうです。(2006.2.15)











コンテリクラマゴケ:
 県道29号線から出口地区の迫田に下る細い道の途中の杉林の下にたくさん生えていました。最初に見た感想はとしてありえない色の植物でした。緑色ではなく青い色のなのです。
 12月の朝日新聞で知ったのですがコンテリクラマゴケは紺照鞍馬苔と書くそうです。そして原産地は中国南部で鑑賞植物として輸入されたものが野生化したものだそうです。(2006.1.15)







 身近なよく知っている植物から名前を調べましたが、知らない植物ばかりです。今後どのくらい植物名を増やすことが出来るか?。