高 原 町 の 植 物 2

高原町にはどんな植物が生えているのだろう

2004年〜2005年掲載分

        

シロダモ:
 12月に入って散歩道の途中にある木に赤い実が一杯ついてとても目立ちます。実が成るまでヤブニッケイかと思っていましたがシロダモでした。昨年は全然気付かなかったのでこの実は一年おきにしか生らないのではと思います。

   

ヤマジノホトトギス:
 雑木林の木漏れ日の中で、雑草とせいくらべのヤマジノホトトギス。恥ずかしながら似た種類にヤマホトトギスというのがあることを知り、後日もう一度確認のためにこの雑木林に出かけました。







ナンバンギセル:
 9月末、農面道路沿いに約100mに亘ってバラバラですが咲いていました。ススキの根に寄生するハマウツボ科の植物です。
 8月末に道路の整備のため道端の草刈が行われた為、その後に出てきたススキが小さくナンバンギセルが目立ちます。










センニンソウ:
 自宅近くの狭い草原に咲いていました。つる植物です。昨年は人間の背丈ほどのススキが茂っていてこの花は見えませんでした。今年は地主さんが何度も草刈をしていますので昨年見ることが出来なかった花が見えますが、昨年咲いていた花で見ることが出来ないものもあります。
 十字型に開いているのは花びらではなくガクです。花びらはなくオシベとメシベが中央にあるのみです。










 ナツツバキ:
 7月22日、矢岳に登山しました。駐車場から登ること小1時間でナツツバキの林に到着しました。もう花期は終わりに近かったのですが、まだ充分に鑑賞に堪えるほど沢山咲いていました。昨年も同じ頃に登山したのにほとんど花を見なかったのは花が一杯咲くのは隔年かもしれません。









ハナイカダ:
 6月の末に崖の雑木林のなかに黒い実がなっているのを発見しました。葉に直接実が成るという一風変わった植物です。後で図鑑で調べたら、実は甘いとのこと、食べてみるべきだったと後悔しました。尚、若葉は山菜として利用できるそうです。











ノアザミ:
 5月から6月にかけて道端や空地に群生ではないがバラバラと咲いています。しかし、その数は大変多い。来客があったので近くの空地から30本ほど切ってきてを玄関に活けましたが空地のノアザミが少しも減ったようには見えませんでした。










ウマノアシガタ:
 林縁の南側の土手やちょっとした空地にウマノアシガタの群生がよく見られます。造花のような黄色い花が特徴です。











自生のエビネ。
 この辺りはエビネの一大自生地でした。しかし、30年ほど昔にエビネブームが起こると我も我もと山に入り、背負いかごに入りきらないほど取ったそうで、どこの家の庭にもエビネが植えられていて、今や自生しているものは無い言われています。
 偶然にも日も差さない雑木林の中に咲いているエビネに遭遇。どこの家の庭のエビネも丈は30cmほどのものがほとんどですが、流石に自生のものは丈も60cmほどもあり葉も大きくその美しい姿には大いに感動しました。
 咲いていた場所は誰にも明かせないのが残念です。







シュンラン:
 高原町には自然が一杯というものの人家の近くでは流石にシュンランの自生は珍しいものです。夏には草が生い茂る川の土手の雑木林の中にひっそりと咲いていました。冬には人が来るらしく道ができており、シュンランも5,6株しかありませんでした。








セントウソウ:
 山には雪がふり、庭には霜柱の立つ3月初旬。雑木林の東側の林縁にはタネツケバナやナズナに混じって可憐なセントウソウが咲いていました。セリ科の植物です。










オランダガラシ(クレソン):
 祓川の湧水の10m位下流に生えていました。一月下旬にも関わらず青々としていたのは水温16℃のせいでしょうか。
さっそく少し持ち帰り胡麻和えにしていただきました。清流のせいか、まだ新芽のせいか苦味が少なくおいしかったです。












マメヅタ:
 桜の木の北側にびっしりついたマメヅタ。1月の寒さの中でも胞子葉に胞子が一杯。空中湿度の高い所を好む、と図鑑には書いてありました。確かに高原町は雨量が多いせいかシダ類が非常に多いように思われます。しかしながらシダ類の同定はとても難しくほとんど手つかずです。








ヒンジモ:(品字藻)
宮崎県に来て最初に読んだのが「植物たちとの出会い」、南谷忠志著、(2003年発行)という本でした。この本の中に絶滅危惧種、西日本唯一のヒンジモが高原町広原の湧水池にある、との記載がありました。早速町の地図を買い、広原地区の養魚池に行って見ましたが、養魚池付近は立ち入り禁止の立て札が立っておりました。やむなく隣町の地主さんの経営する鯉料理屋さんまで行き、許可をいただいてこの写真を撮りました。全国で確認されているのはここを含めて5箇所しかない貴重なものです。
尚、山と渓谷社発行の「レッドデータプランツ」には南谷先生のヒンジモのきれいな写真が掲載されています。






リンドウ:
 家の近くの林縁の草の中からヒョロヒョロの茎を伸ばして雑草の間から顔をだして咲いていました。
10月に高千穂の峰に登山した時、花が一輪のみのキリシマリンドウを見かけましたが、写真を撮るのを忘れてしまいました。










ヤマラッキョウ?:
これも家の近くで見かけたものですが、「霧島花だより」という本には「…ヤマラッキョウと区別し、本県産は大部分がナンゴクヤマラッキョウの方であるというのが最近の見解だという」という記載がありました。相違点がよく判りません。知っている方教えてください。












マムシグサの文章を読まれた知人から下記のようなお便りをいただきましたので転載します。大変勉強になりました。

マムシグサの実ですが、テンナンショウは性転換します。
花の咲き始めはほとんど雄花で、
その後の栄養状況がよいと雌花になります。
つまり実がならないまま終わってしまうというのは、
土壌がやせているとおもわれます。
またアケビは加齢とともに性転換します。

   


マムシグサの花(左):
 4、5月頃ちょっとした林の陰にたくさんの花をみることが出来ます。たいていは濃い紫色ですが、たまには青い花のものもあり、左の写真は青いものと濃い紫のものが同じ所に咲いている珍しいものです。アオマムシグサ、ムラサキマムシグサと種を分ける説もあるようです。
マムシグサの実(上2枚):
 マムシグサの花の数に比して実は極めて少なくほとんど目に入りません。しかも全体が真っ赤になるのは稀です。たいていは青いままだったり、少し赤くなった頃に葉や茎が枯れて草の中に埋没してしまいます。














                                   

ハクウンボク:
 近くの雑木林の余り日の当たらない場所に5月の末にひっそりと咲いていました。ただし、近くで見れば花は大きくて目立ちます。図鑑には「山地に生え」、と書いてありました。私が引越してきたのは山地なのだ、と実感しました。









         

 身近なよく知っている植物から名前を調べましたが、知らない植物ばかりです。今後どのくらい植物名を増やすことが出来るだろうか?。