高 原 町 の ク モ 類 3

クモ類は愛知県に比べて非常に多いのですが、どれも同じに見えてしまい一生懸命探さないと
色々な種類が見つかりません。また同定が難しいので大きい種類のみになってしまいました。
なお、一部わからない種については同定を東大の谷川明男先生にお願いしました。


            

                  2007年〜




  
         ヒザブトヒメグモの巣                           ヒザブトヒメグモ

 皇子地区を歩いていたら切通しの崖が窪んでいるというか、崖の上が屋根のようにせり出している場所に天井から1.5
センチ位の釣鐘状の物がぶら下がっていました。採集して持ち帰り調べたら小さなクモが出てきました。
 クモの同定をお願いしている谷川先生が写真を提供している「クモの巣図鑑」にも写真が掲載されていて、ヒザブトヒメグモと同定出来ました。
 しかし、こんな小さなクモが小さい石をつづってこんなクモの巣をつくるなんて驚きです。(2014. 9.15)






ズグロオニグモ:(コガネグモ科)

7月の末に夜、御池に行きました。そこの自動販売機の明かりにやってきていました。
人家の周囲、街路灯、駅の構内、公園のトイレ、電話ボックス、看板などの照明の付いた人工物に垂直、又は斜めに正常円網を張ると、図鑑には記載されています。(2014. 8.15)


















ハリゲコモリグモ?:(コモリグモ科)
 祓川のトイレの入り口付近に沢山のこのクモを見つけました。中には卵嚢をお尻につけているものもいました。
 足にある棘がこのクモの名前の由来のようです
  (2014、7、15)
















 



サガオニグモ:(コガネグモ科)
 5月に皇子原のガケでクモをさがしていたら、20p位の円網の中心に座っていました。狭い道の上には木の枝が覆いかぶさっていて、あたかも林の中にいるような感じの環境でした。(2014、6、15)



















 
   キムラグモの巣                                 蓋を開けると


ついに発見キムラグモ:(ハラフシグモ科)
 長い間探していましたがなかなか見つけることが出来ませんでした。とても珍しいクモです。

 4月の末と5月3日に宮崎県昆虫同好会の人たちと皇子原でキムラグモを探しました。クモの巣は崖に穴を掘り、扉をつけて扉の前を通る昆虫を捕えて食べます。
 キムラグモの特徴は触手が異常に大きくてあたかも足が10本あるように見えます。それからこのクモは最も原始的なクモで腹部背面には12枚のキチン板があり、これは古代のクモの化石に見られる腹部の環節(環状の分節)の原始的な姿を留めている。と図鑑に記載されています。(2014年、5月15日)





          キムラグモ







イモコモリグモ:
昨年の春先に、ウズキコモリグモに交じって卵をお尻につけて小さなコモリグモが畑の中をウロウロしていました。
大きさは5mmほどです。
種の同定が出来なくて東京大学の谷川先生にお願いしました。
(2014.4.15)
























ヤマトコノハグモ:(ヒメグモ科)
 2月の末に田んぼの横の水路に生えていたセリを採ってきて洗ったら、このクモが出てきました。
 直ぐに同定せずにプラスチック容器に入れておいたら、不規則網を張りました。背中の葉状紋と合わせて考えてヤマトコノハグモと同定しました。(2014..3.15)







 







コガタコガネグモ:
 我家のトマトハウスの支柱にクモノ巣を張っていました。この写真は9月の末に撮ったものです。我家の庭で見たのは初めてでした。
 今年は今まであまり見たこともないクモが我家にやってきました。夏の初めごろスズミグモが我家の駐車場にやってきました。成長を楽しみにしていましたが、2週間ほどで、鳥に食われたのかどうかは分かりませんが、いなくなってしまい残念でした。(2013.11.15)




















ハイイロヒメグモ:
 清流ランドを歩いていたらあまり日の差し込まない木の下に不規則な網を張っていました。3ミリほどの小さなクモです。
腹部の色に変異があるようですが、たまたま図鑑と同じ色のクモでしたので同定がどうにか出来ました。(2013.10.15)
















イエオニグモ:
我家の玄関灯と壁の間に8月初旬より夜8:00頃にになると小さいクモの巣を作り出します。朝になると巣を片付けてしまいます。
毎日それの繰り返しです。
 別段珍しくないクモのようですが、私は初めてのような気がします。(2013.9.15)


















ゴマダラヒメグモ:
 清流ランドを歩いていたら崖の木の下に小さなクモがいました。小さなクモながら背中の模様がとてもきれいです。 

 ヒメグモの仲間は皆小さくて1pもありません。昨年買ったデジカメの解像度がよく写真にもはっきりと模様がでます。今ではルーペで見るよりも写真を見ながら同定をしています。(2013.8.15)














コガネグモ:
 朝の散歩の途中の水路の上に、しかも、人家の入り口付近にいました。
 昔、この地方でもコガネグモを戦わせるクモ合戦が行われていたそうですが、肝心のコガネグモをほとんど見かけません。一番多いのはナガコガネグモで、次はコガタコガネグモです。
 なぜ、コガネグモだけが少なくなってしまったのかはよくは判りません。(2013.7.15)
  














ヤリグモ(ヒメグモ科):
 ヒイラギの木を剪定していたら、その木の中にいました。歩くのはとても困難な体型です。
 イソウロウグモの仲間で、他のクモの巣に居候しながら、チャンスを窺ってそのクモの巣の主を食べてしまうというクモ食のクモです。
 普通イソウロウグモの仲間は体長が数ミリという小さいものが多いのですが、このクモは体長約1センチと大きいです。(2013.6.15)
























             ハタケグモ                         ハタケグモの巣

ハタケグモ:
 9月の中旬に畑や庭の草の生えていない所に10円玉より少し大きいクモの巣が10ケ所余りも出来ます。朝の内は露が降りますのでこのように目立ちます。網を取ると体長は 2mm ほどしかないクモが出てきました。ハタケグモ科(2012.12.15)







ニホンヒメグモ(ヒメグモ):
 10月初旬に清流ランドに行ってみました。清流ランドの中を流れている川の南側に少し崖になっている所があり、そこに不規則網を作り、枯葉を吊るしてその中に住んでいました。体長4ミリほどの小さなクモです。小さいですが赤いのでよく目立ちます。
 昔は和名をヒメグモと言っていましたが、最近はニホンヒメグモというらしいです。(2012.11.15)


























シロカネイソウロウグモ:
 我家のオニグモの巣を見ていたら、クモの巣にこのシロカネイソウロウグモが4頭もおり、朝日を受けてキラキラ光っていました。体長は2ミリほどしかありません。
 10月になってから軒先の比較的低い所のジョロウグモの巣にも2頭ほどシロカネイソウロウグモがいましたので写真を撮ることが出来ました。
 シロカネイソウロウグモは名前の通り、オニグモやジョロウグモのクモの網に侵入して網の主が捕えた獲物を盗み食いしたり、網にかかった小昆虫を食べます。(ヒメグモ科)
                          (2012.10.15)











 




スジアカハシリグモ:
 8月の末に庭の夏みかんの葉の裏に止まって獲物を待っていました。一瞬イオウイロハシリグモかと思いましたが何となく違うように思えて一応採集して、図鑑で調べてみたらスジアカハシリグモでした。
 図鑑には「腹、背の縦条の中央より少し後方に少しくびれがあるのが本種の特徴である。」と記載。
 また別の図鑑では「良好な自然環境が保たれている場所にしか生息していない」とありました。我家の庭はほとんど農薬を使わないのがよいのかも。(2012.9.12)

















チクニドヨウグモ?
 祓川湧水のすぐ下の通路の橋のたもとに網を張っていました。メガネドヨウグモに似ているので同定には注意が必要とクモの図鑑には記載されていますが、独断と偏見で「同定」してみました。(2012.6.15)























ホウシグモ:
 御池の散歩道で拾ったクモです。図鑑によれば、「南方系のクモ。本州における採集の記録はない。平地、山地の樹林地とその周辺。池や湖の周囲などに生息」と記載されていました。全くその通りです。また、別の図鑑では頭胸部に毛を生じない。とも記載されています。ホウシグモ科のクモは少なく、4種類くらいしか図鑑に載っていません(2012.5.15)

















オニグモ:
 我家の屋根の樋と隣の大きな草との間にクモの巣をはり、夕方暗くなると樋の陰から出てきます。巣の張った位置がいいのか毎日のようにトンボやガが網にかかります。そのせいか丸々と太っています。
 名前の通り大きく小さい子供が見たら恐ろしげなクモです。
 私の知る限り、最も大きなクモであろうと思います。
子供のころ、もう少し明るい時間帯からクモの巣をクルクルと作っているの窓に腰かけて見ていた記憶があります(2011.8.15)。






















ナガコガネグモの卵嚢:
 我家の門扉の横にナガコガネグモがクモの巣を張っていましたが、秋にクモの巣の近くの門扉に小さい卵嚢を作りました。つぼ型の1センチほどのかわいいものです。クモ自体は少し離れた玄関の上の方に非難していましたが12月中旬の寒波で死んでしまいました。(2010.12.20)
















ヒラタグモの♂:
 叔母さんの家で積み重ねられていた瓦の隙間に住んでいました。名前の通り、平たいからだをしています。
このクモはよく戸の隙間などに平たく丸い家を作りその中に住んで、家の周りに糸をはり、その糸に虫が触れると飛び出して虫を捕らえます(2010.10.15)














オオシロカネグモ:
 非常によく見かけるクモで、我家の庭でもよく見かけます。ただ、チュウガタシロカネグモとよく似ています。同定には背中だけではなく、腹部の斑紋も見ないといけないのでなかなか捕まえる気になりません。(2010.8.15)



























ハラクロコモリグモとその卵嚢:
 写真はハラグロコモリグモがその卵嚢をお腹の下にぶら下げて移動中のものです。それにしてもクモ自身と同じ大きさくらいあります。もうすぐ子供たちが生まれるのかもしれません。
 生まれた子供たちは足などを伝わって親グモの背中にしがみつき、一時期親の庇護の元に成長し、親離れをしてゆきます。(2010.2.15)
















メスジロハエトリ:
 背中の何とまぁ、きれいな模様でしょうか。惚れ惚れと見とれてしまいます。
 名前の通り、メスのみが白く、オスは黒っぽいと図鑑に記載されていますが、私はオスを見たことがありません。
 しかしながら、オスクロハエトリというオスのみが黒いハエトリグモもいるそうでややこやしい。(2009.12.15)














キクヅキコモリグモ:
 散歩の途中の水田の隅が畳 1畳分ほど稲が植えてない所にいました。水面の草などの上を何匹も徘徊しており、虫などを取っているようでした。。
 図鑑にも「水田に多く棲息し、稲株の間や草間を徘徊し、水田の害虫を補足する。」と書いてありました。(2009.10.15)














アズチグモ:
 判りますでしょうか、シシウドの花についていたアズチグモです。見事に花に隠れています。こうやって花にやってくる昆虫を待ち伏せして捕らえるのでしょう。(2009.9.15)















イボカニグモ:
 御池で捕まえたクモです。体長約 4mm。小さいので幼体かと思いましたが、これで立派な成体です。倍率の小さい顕微鏡を使って写真を撮りました。
 カニグモの仲間は足がカニのようについていることから素人でもわかります。このイボカニグモは腹部背面に八の字状の斑紋があり、腹部にはイボがあることからイボカニグモと同定できます。(2009.8.15)












ヤマトコノハグモ:
 我家の畑でよく見かけるクモです。一見すると真っ黒ですが、よく見る腹部背側に模様がありますが、模様がほとんどわからないものも見かけます。
 図鑑には「…野菜畑や水田地帯に多く住みつき、野菜の根元、稲かぶの下部、畦の草間、地面の割れ目などに不規則網を張って、小虫を捕らえる。田畑における害虫の天敵として重要視されている。」と記載されています。(2009.7.15)
 













ヤミイロカニグモ:
 散歩の途中で見かけたました。ゴミムシの仲間と思われる甲虫類をしとめたたようです。(2008.6.15)




















ハラクロコモリグモ:
 この写真は昨年の6月ころに写したものです。我家の畑をうろちょろしています。ウズキコモリグモが卵嚢をぶら下げて走り回るのに対してハラクロコモリグモは地中の穴の中に卵を守るそうです。
 腹が黒いからハラクロコモリグモと命名されたのでしょうが、この名前は少々かわいそう。(2008.4.15)









コガタコガネグモ:
 10月に高原町と都城市の境にある長尾山の稜線を歩いていて地面に落ちているのを拾いました。余りに小さいのでコガネグモの仲間とは思えませんでした。
 図鑑には「…音に対して敏感で、人の足音や話し声にも反応して、網から糸を引いて地面や草原に飛び降りる」と書いてありました。(2007.12.15)

  

コクサグモの巣:
 10月中旬、朝起きた時にはこの秋初めての霧で視界が 50 mくらいしかありませんでした。朝食後の散歩の途中でクモの巣に霧がついて写真に撮りやすくなっていました。右の写真は家のブルーベリーに有ったコクサグモの巣です。なんとレースのカーテンよりも蜜に張り巡らされています。これは張るのに大変だったでしょうね。(2007.11.15)
 


アズチグモ:
 家の直ぐ近くの道端のチガヤの葉を折り曲げて卵を守っていました。写真を撮ろうと指で追い出そうしたら、指に噛み付いてきました。母は強し!
 右の写真の背中の模様を見てください。まるで人間の顔のようではありませんか。(2007.10.15)




アシナガグモ:
 この写真は我家の玄関にクモの巣を作ったのを下から撮ったものです。たいていは水路などの上に背中を下にしているので腹しか写りません。(2007.9.15)






キハダカニグモ:
 寝る前にベッドで本を読んでいたら、私の膝に乗ってきました。家の中にはハエトリグモの他にもいろいろなクモがやってきます。
 クモの同定はとても難しく背中の模様だけではなかなか同定が出来ません。最後は外雌器でみますが、私の持っている顕微鏡は倍率が低くよく判りません。しかし、このクモは外雌器ではっきりとキハダカニグモと同定できた珍しい例です。(2007.8.15)













 

サツマノミダマシ:
 この辺りにはワキグロサツマノミダマシしかいないと思っていましたが、サツマノミダマシもいました。
 サツマノミ(薩摩の実)とはハゼ(櫨)の実のに似ているからと命名されたということです。(2007.7.15)

















イオウイロハシリグモ:(スジボケ型):
高原町の後川内で見かけたイオウイロハシリグモ。最初はスジブトハシリグモかと思いました。図鑑によればイオウイロハシリグモは3つの型があり、別種の如く斑紋や大きさが異なるそうです。図鑑には下記の説明がありました。
@イオウイロ型:斑紋は明瞭ではないが、体色が黄色、黄褐色、赤褐色、褐色、黒褐色などの固体。
Aスジボケ型:背甲及び腹部背面の中央に幅の広い黒褐色の正中条班が走り、両側の白状が幅広くなっている。
Bスジブト型:スジブトハシリグモに似た正中条班を持つもの
(2007.6.15)









     

     アシダカグモ ♀                              アシダカグモ ♂  

アシダカグモ:
 我家の家族、アシダカグモの夫婦。春の間は余り目につきませんが秋ごろから冬にかけてよく見かけます。ゴキブリやハエを取るので我家では大事な家族ですが、誤って風呂の戸に挟まって死んでしまうのもいます。(2007.5.15)




カラフトオニグモ:
 クモの図鑑を何度も見ても分からず、2005年に谷川先生に同定をお願いして名前が分かったクモです。その時は奄美大島で捕まえたものですが、今回は高原町の後川内の霞ヶ丘で捕まえました。図鑑にも変異があると書いてありましたが、図鑑に載っているどの写真にもない背中の模様でした。
 この背中の模様を見ていると犬のヌイグルミのように見えてくるのは私だけでしょうか。

















カマスグモ:
 9月の下旬に我家の外壁に止まっていました。大きさはアシダカグモと同じくらいな大きなクモで、最初見たときはアシダカグモかと思いました。勿論、アシダカグモ科のクモで図鑑には「山地の樹皮や葉上に棲息し、夜間徘徊して獲物を捕らえる。昼間は広葉を2〜3枚つづり合わせて巻いた住居をつくり、その中に潜んでいる。」と書いてありました。(2007.2.15)



















      

コクサグモ:
 コクサグモはクサグモに似ていて私にはほとんど見分けがつきません。しかしながらクサグモが7月から9月に発生するのに対して対してコクサグモは8月から11月と発生期が遅いことで区別できます。そしてそのクモの巣は右の写真のようにコクサグモは木の上の方に棚網を作りますが、クサグモは木の茂った枝の間に棚網を作ります。(2007.1.15)