高 原 町 の ク モ 類 2

クモ類は愛知県に比べて非常に多いのですが、どれも同じに見えてしまい一生懸命探さないと
色々な種類が見つかりません。また同定が難しいので大きい種類のみになってしまいました。
なお、一部わからない種については同定を東大の谷川明男先生にお願いしました。



                      2004年〜2006年



ドヨウオニグモ:
 9月中旬、散歩の牧草地にいた綺麗なクモです。このクモは6月頃に庭にもいましたが、水田や牧草地などで多く見受けます。イネの害虫を駆除するので有名です。(2006.12.15)













トリノフンダマシ:
 勿論下の方が頭で、黄色いのが足です。鳥の糞のような擬態をしているのでトリノフンダマシという名前がついたようです。10月下旬、我家から50mほどしか離れていない狭い竹やぶから道路に糸を使って降りてきました。こんな身近にトリノフンダマシがいるとは思いもよりませんでした。
 愛知県にいた頃、中部クモ談話会の研修旅行で岐阜県の山奥で、夜、このクモが巣を張るのを見て大いに感動しました。水平円網なのですが、糸と糸の間が10センチ近くもあり、これでどうやって昆虫を取るのだろうと思いました。(2006.11.15)








タニマノドヨウグモ
 8月中旬、夕方、3mほどの水路にかかる橋の下から出てきて、水平円網を張っているのを見かけました。
 図鑑には体長 1.2センチほどと書いてありましたがこの標本は 1.5センチほどもある大きなものでした。
 同定が出来ずに谷川先生の手を煩わしました。(2006.10.15)





















チュウガタシロカネグモ:
我家の庭にたくさんいるクモです。夏は窓の戸を開けている時間が多いせいか、家の中に入り込み網をはりますが、じきに居なくなってしまいます。
 似た種類にオオシロカネグモ、コシロカネグモがありますが、この写真でもわかるように腹部の両肩に低い肩隆起があり、その上に黒褐色の斑紋があることですぐチュウガタシロカネグモとわかります。(2006.9.15)
















   

ハラビロアシナガグモ:
 湧水がドウドウと湧き流れている水を農業用に引き込んだ林間の水路の上に水平網を張っていました。右の写真がその網です。ジョロウグモやコガネグモの網とは明らかに異なり、網の間隔が広いので、この網の主はなんだろうと不思議に思いました。クモ自体の体長は1センチほどです。(2006.8.15)


クサグモ:
 タナグモ科のクモでお茶の木の葉の間などに棚状の網をはり、その中心に漏斗状の巣を作り、葉に止まった虫を捕らえます。たいていは巣から出て虫の来るのを待っていますが、捕まえようとすると漏斗状の巣の中に逃げ込んでしまいます。どこにでもいるクモです。
















ワカバグモ:
 5月の中旬にレンゲ畑で捕虫網を振るっていたら、このクモが網に入っていました。ワカバグモの雄です。しかも幼体です。クモ類の多くは雌雄がまったく異なる外形をしている場合が多く、また大人のクモと幼体とは異なるものも多く同定が困難ですが、このワカバグモは比較的同定が簡単でした。
(2006. 6.15)













ハナグモ:
 家庭菜園の白菜の花を楽しんでいたら、花にやって来たハエを捕まえているハナグモを見つけました。写真写りはあまりよくありませんのは私の写真の腕も有りますが、花に同化するハナグモの色もたいしたものではありませんか。(2006.5.15)
















ヤミイロカニグモ:
 庭の草引きををしていたら草の根元からハサミムシと一緒にこのヤミイロカニグモが出てきました。歩いている姿を見るとこのクモがカニグモの仲間であることが一目でわかります。また、クモが昆虫よりも海などにいるカニに近い親戚であることを納得します。
 このクモの背中をじっとみていると人間の顔のように見えてくるのは私だけでしょうか。(2006.4.15)









ナガコガネグモ:
 9月ころ撮影したものですが、ナガコガネグモが網を張って生きているのに多分キノコの菌に犯されたものらしく糸を張ったまま菌が体に回ったものです。(2006.2.15)




















チャスジハエトリ:
 我家に住みついているハエトリグモです。1月でも家の中は一応暖房をしていますので暖かい時だけは動いています。
 図鑑では人家の壁、窓ガラスに普通、と書いてありました。
(2006.1.15)













ワキグロサツマノミダマシ:
9月下旬自宅付近で撮影したものです。緑色がきれいな目立つクモです。よく似た種類にサツマノミダマシがありますが緑色の直ぐ下の腹側が緑色でこのサツマノミダマシのように黒褐色ではありません。サツマノミダマシとはサツマノミ(薩摩の実)に似ているという意味です。では薩摩の実とは何かというとハゼの実またはヤマハゼ実のことだそうですが、そのことがどういうわけか植物図鑑には余り載っていません。















オニグモ:
 子供の頃からよく見かけるクモです。昔は人家の周りにいくらでもいました。子供の頃、夕方に家の窓から軒先でクモの巣を張る様子をボンヤリと見ていたことを思い出します。
 今年はオニグモとナガコガネグモが多いように思います。














オオヒメグモ:
 オオヒメグモの夫婦です。雌は体長 8mm程の小さなクモです。雄はさらに小さく 5mm程しかありません。
我家の玄関灯には春から秋にかけて毎夜の如く色々な虫がやってきます。その虫を狙ってカマキリやアマガエル、オサムシなどがやってきますが、色々なクモもやってきて網を張ります。








          

   直径約3mm以下の小石などを綴り合せたクモの巣              ツリガネヒメグモ

ツリガネヒメグモ:
 門柱の横に直径 1〜3mmほどの小石やゴミを綴り合せた住居をつくり、その周りに不規則網を作っていました。住居の中にいたクモは 3mmほどの小さなクモでした。こんな小さなクモがどうやってこの小石を吊り上げたのでしょうか。



トゲグモ:
 余り日の差さないような雑木林のなかで垂直円網を張ります。約8mmほどの小さなクモです。網の中央にいる時には何かゴミがぶら下がっているようにしか見えません。背中の模様はは鳥の糞の擬態であるという説もあります。
 このトゲの部分はキチン質で出来ており、トゲの先を指で触ってみると痛いです。














       

             ジグモの巣                              ジグモ

 庭の柿の木にジグモの巣がありました。こよりを巻くように上の方からくるくる巣を巻いて引き上げると2センチを越える大きなジグモが上がってきました。
 異常に大きな上顎が特徴です。この巣のそばを虫が通るとこの巣を破って飛び出し虫を捕らえるそうです。



カラカニグモ♂:
 カラカニグモの♀の同定は大層難しく私のような素人にはとても困難ですが、オスは比較的簡単です。クモの先祖は海にいる蟹や海老であるという説がありますがカニグモを見ると納得します。













コアシダカグモ:
 川原の石をひっくり返したら大きなアシダカグモがいました。野外でもアシダカグモがいるのかと思いましたが調べたらコアシダカグモでした。













イオウイロハシリグモ:
 花に来たアブを押さえ込んだところでした。イオウイロハシリグモは色の変異が大きくほとんど赤に近い色のものから黄色のものまであります。









メガネヤチグモ:
 庭の大根を引いて、台所で洗ったら、メガネヤチグモが出てきました。寒い冬の間は大根の葉の付け根あたりにひそんでいて、春を待っていたようです。














ジョロウグモ:
 誰でも知っているジョロウグモです。晩秋には何処でも見ることができますが、牛小屋や鶏小屋付近には驚くばかりの数のジョロウウグモがいますが、全てが大きくなるとは限らないようです。ジョウロウグモのいわれは腹の赤いのを帯に見立てて女郎ではなく上臈蜘蛛、クモの中での位の高いクモであるということで命名されたという説を聞いたことがあります。ジョロウグモの名誉の為に一言。










ヤマオニグモ:
 庭に垂直の円網を張ったヤマオニグモ。図鑑には山地に住む、と書いてあり、自宅が山地にあることを再確認しました。















ナガコガネグモ:
 庭にいたナガコガネグモ。写真があまりよくないですが、大きくてきれいです。











ヤマシロオニグモ:
 ヤマシロオニグモは背中の模様に変異があり、慣れるまで同定に苦労しました。私自身の少ない経験ではこの模様のものを見たことはありませんでしたのでここに載せました。










コガネグモ:
 我が家の軒と外壁の間に巣を張ってその中心に陣取っていたコガネグモが台風16号の接近に伴い壁際に移動しました。台風の到来がわかるのでしょうか。