高 原 町 の 植 物 5

 高原町にはどんな植物が生えているのだろう

                       2012年〜

     





サツマルリミノキ:アカネ科
 11月の中旬に皇子原公園から清流ランドまで高原町教育委員会の主催で自然観察会を行いました。ここにはサツマルリミノキが沢山自生していて、サツマルリミノキの実に日の光が当たるととても綺麗です。
 尚、ルリミノキとサツマルリミノキの違いはサツマルリミノキにの枝や葉に毛があるのが特徴です。(2014、12、15)















 
クサヤツデ:(キク科)
10月中旬に皇子原の林の間に咲いていました。目立たない小さな花です。花弁は5枚、幅1o、長さ1センチほどです。よく気を付けていないと見過ごしてしまいます。
クサヤツデの名前の由来は葉がヤツデの様だからのようです。葉は地面に沿って広がっているだけで、葉をつけるための茎は伸びてきません。秋にこの花をつけるための茎だけが伸びてきます。(2014、11,15)









クサアジサイ:(ユキノシタ科)
 9月の末に皇子原の森の中にひっそりと咲いていました。アジサイのような花が咲いていたので、その仲間であろうと思い、図鑑で調べたらありました。やや湿った林内に生えると書いてありました。
 花期は7月〜10月となっています。その間にずっと花が咲いていると言いうことではなく、林内は涼しい所もあり、場所によって花が咲く時期にばらつきがあるということであろうと思います。(2014、10、14)















カエデドコロ:(ヤマノイモ科)

 皇子地区を歩いていたら、ヤマノイモの蔓に絡んでいた蔓に目立つ黄色の花が咲いていました。
 図鑑にも「花はみかん色で数多く、にぎやかである。」と書かれています。
 この季節でないと気付かない植物です。
 名前の由来は葉の形がカエデに似ていることでしょう。
 ヤマノイモ科に属するもののどの図鑑も芋について記載がありません。多分芋が出来ないからか、食べることが出来ないからでしょう。
  (2014、.9、15) 















ユウスゲ:
知人のAさんにお会いしたら、私の畑の隅にはユウスゲがある。昔は別に珍しいものではなかったが、最近はめったに見ることが出来ない。
咲いている場所を人に教えると、この辺りの人は引っこ抜いて持って行ってしまうので誰にも教えない。とのことであった。
 特別に場所を教えて頂いて、後日、夕方、写真を撮らせて頂きました。多分、このユウスゲが高原町での最後の野生のユウスゲではないでしょうか。(2014. 8.15)















コスギゴケ:(スギゴケ科)
 家の裏の物置の横に生えてきました。この手のコケは最も普通で、どこにでもあるコケではないでしょうか。乾燥すると葉が強くちじれるのが特徴のようです。(2014、7、15)

















オオバライチゴ:
  オオバライチゴはふつう沿岸部に生える植物であるが、鳥が種を運んで御池に生えたものでしょう.

 尚、食べてみました。結構おいしいイチゴです。(2014、6、15)

















ヤマザクラの花:西行法師の愛した花

 3月の下旬に後川内の谷地の田んぼを歩いていましたら、水路の上の崖にヤマザクラが咲いていました。この時期には誰も通らないので、誰も見ることが無いですが、ヤマザクラは時期を違わず咲いているのでしょう。
 ソメイヨシノのような華やかさはなく、ジッと見上げていると、むしろはかなさと、さみしさを漂わせているように感じます。
 西行法師が愛したのはこの花であって、決して今のソメイヨシノではないのです。(2014.4.15)

 世の中に 絶えてさくらの なかりせば 春の心は のどけからまし   西行










クサノオウ:(ケシ科)
 3月の初旬、寒い朝に高千穂の峰がうっすらと冠雪しているのを見ながら散歩に出たら、三方をブロックで囲まれたような人家の隅に黄色い花が目につきました。
 家に帰って図鑑をみたら花期は5月ころと記載されていました。この辺りは陽の光が強く、場所もブロック塀に囲まれて暖かい所なので咲いているのでしょう。
 更に図鑑には和名は草の王ではなく、丹毒を治す効があるので瘡(クサ)の王と呼ぶとの説があると記載されていました。(2014.3.15)

























ハナガガシ:
霧島東神宮に上る自動車道で、御池キャンプ場への降り口から右折して昔の参道と合流する地点までの道の両側にはこのハナガガシの群落があります。
 ハナガガシは葉長樫で、四国、九州(鹿児島県、大分県、宮崎県)にのみ見られる貴重な植物です。1.5m以上の木が100本以上もあり、中には2mを越す大きな木もあります。(2014、2、15)



















スミレ:
 正月の2日、午後いつもの散歩道でスミレの花を見つけました。切通しの崖がほぼ南向きで暖かいのでしょう。崖の上から竹の葉や木の葉が堆積して保温効果を高めているようです。このスミレの下はアスファルトの歩道で、崖の下にほんの少しだけの吹き溜まりに咲いているのが愛おしいです。(2014.1.15)


















ミヤマトベラ:
 11月中旬に御池で自然観察会がありました。木陰に丈は50センチほどしかないのに既に黒々とした実が着いていました。
 普通は標高500m位の所に見られるようです。
 図鑑で調べたところ、もうこれ以上は大きくはならないようです。暖地の林床に生え、6、7月頃蝶型の花をつける、とありました。来年は花を見たいものです。(2013.12.15)
















ルリミノキ:(アカネ科)
 皇子原公園にルリミノキがあります。高原町でもここが最も多い場所ではないでしょうか。7月頃目立たない白い花が咲いていました。秋になり、写真ではうまく出ていませんが、実際にはとても綺麗で目が覚めるような鮮やかな瑠璃色の実が着いていました。(2013.11.15)
 



















オオナンバンギセル:
後川内の里山を歩いていたら、水路の土手に1輪だけ、このオオナンバンギセルが咲いていました。ナンバンギセルよりも大きく、背も低いように思います。図鑑によれば、ナンバンギセルとの違いは花の縁には細かい鋸歯が有ることと、萼の先が尖らないことです。
また、ナンバンギセルはススキやミョウガの根に寄生するのに対して、オオナンバンギセルはヒカゲスゲやヒメノガリヤスなどに寄生するとも記載されています。(2013.10.15)


















スズムシバナ:(キツネノマゴ科)
9月の初旬に狭野神社の近くを歩いていて見つけました。雑草の間から頭を出して、紫色のきれいな花です。図鑑によれば朝咲いて、午後には散ってしまうそうです。山の木陰に咲くとも。
 名前の由来は鈴虫が鳴く頃に咲くという意味でしょうか。(2013.9.15)



























コバンモチ:
 皇子原公園から清流ランドに行く道を歩いていたら、木の根元に「コバンモチ」と木の名前が書いた札が着いていました。

  この辺りは木が密生しているので、はるか上の方まで枝がありません。枝に紅葉した赤い葉が見え、足元にも落ちていました。

 木の下に落ちていた葉を持ち家に帰って図鑑で調べたら、三重県以南に自生。緑の葉に交じって数枚はいつも紅葉。
 葉が小判型をしているからの命名とのことである。

 コバンモチと言いながら、モチノキ科ではなく、ホルトノキ科です。そういえばホルトノキも常に紅葉があったことを思い出しました。
(2013.8.15)




















アキノタムラソウ:
 6月下旬に、いつも散歩に行く路の崖の下に咲いていました。7月からは旧暦で言えば秋になりますから秋のタムラソウでいいのでしょうが、6月末では夏にもなっていないので、ちょっと名前がそぐわない感じがします。
 秋の、と言うからには夏とか春とかあるのではないかと思い調べてみましたらハルノタムラソウというのがありました。春の方はあまりパットしない花のようです。(2013.7.15)

 












キショウブ:
 高木さんという方からキショウブが綺麗だから見に来ないかと言われ、友人と見に行きました。駅の裏の道路から迫に降りる道があります。そこの迫田は随分昔に迫全体が放棄され、今はジャングルのようになっていますが、少し開けた所にこのキショウブの群落がありました。
 キショウブは明治の中ごろにヨーロッパから輸入され、広く野生化しています。ここも別に植えたものではなく、40年ほど前にはこの迫田の上の方に2,3本昔見かけたものが、今は群落になってしまった、とは高木さんの話でした。(2013.6.15)










              キショウブの群落







マツバウンラン:
  JR高原駅の一角にマツバウンランが群生しており、目立たない花ながら群生するとなかなか良い風情です。
 最近、高原町でマツバウンランの花が目立つようになりました。こちらに越してきた頃にも見かけましたが、近年、空き地などに特に目につきます。
 原産地は北アメリカで1941年に日本に侵入していることに気付かれた、と図鑑に記載されています。(2013.5.15)












キケマンとムラサキケマン:
 高原町ではあまりキケマンを見ません。迫田の木の下に数本だけのキケマンがムラサキケマンに交じって咲いていました。何故こんなにキケマンが少なくなってしまったのかよくわかりません。大切にしたい花です。
(2013年4月12日)

















           ヤドリギ                               ヤドリギの実

ヤドリギ(ヤドリギ科):
 並木地区を通ったら、田んぼの向こうに葉の落ちた木にびっしりとヤドリギが着いているのが遠目にも目立ちました。
 田んぼの畔を100mほど行くと一抱えほどのエノキの木にヤドリギがあり、黄色く半透明の実が着いていました。
                                                             (2013. 3.13)





リンドウ:
11月の18日に小林生物愛好会の定例会で、後川内の迫田に行きました。最近は放棄された田が多い中で、よく手入れされた迫田で、農業用の道の崖なども草が刈られていて、その一角にはツルニンジンやリンドウなどが咲いていました。ここではまだ農業が健在なのを感じ、なんかホットしました。 (2012.12.15)





















ヤマジノホトトギス:
 5年ぶり位で、広原の谷地田に行ってみて驚いてしまいました。沢山の田んぼが放棄されて雑草が茂っていました。それでも10枚ほどあった田んぼの内2枚だけが稲が干してありました。こういう田んぼは大型農機具が入りにくいのでどうしても放棄されがちです。
 稲が干してあった田に至る崖にヤマジノホトトギスが咲いていました。最後の耕作されていた田んぼが放棄されたら一面の野原となり、このヤマジノホトトギスも絶滅してしまうのでしょうか。(2012.11.15)
















オオカナダモの花
 4月に温谷に行ったら水路にオオカナダモが繁茂していました。図鑑で調べたら9月頃に花が咲くと書いてありました。
ちょっと遅くなりましたが9月30日に温谷に行ってみましたら、花は少なかったですが、白い小さい花が水の上に顔を出して咲いていました。(2012.10.15)




















ゴンズイ:
 9月の初旬に清流ランドに行ったらゴンズイの実がきれいでした。この写真ではわかりにくいですが、果実は半月状の袋果で、赤く熟して裂けると写真のように黒い光沢のある種が現れます。袋と種が一体となって美しく見えるのです。
 ゴンズイという変わった名前の由来は牧野植物図鑑によれば役立たずの意味があるそうです。なぜゴンズイが役立たずなのかは私にはわかりませんが…。
 尚、海の魚にもゴンズイというのがありますが、こちらも同様な意味でつけられたようです。むしろ海のゴンズイは毒を持っていて刺すそうです。(2012.9.15)

















イヌホタルイ:
近所の水田で見かけたイヌホタルイです。漢字で書くと犬蛍藺となります。いわゆる藺草の仲間です。
右端の太い植物は稲で、稲の横に細いイヌホタルイが沢山生えています。
除草剤が効かないので田んぼの困りものです。抜こうとすると切れてしまいます。泥の中に手を入れて根を捕まえて抜かないと除草が出来ません。愛知県の自宅近くでも農家の人から厄介者であると聞きました。いまや全国的な稲田の雑草ではないでしょうか。
イヌホタルイはカヤツリグサ科、ホタルイ属の植物です。(2012.8.15)












ヤブカンゾウ:
 いつもの散歩道の傍に咲いていました。花は八重ですが、花びらが不規則に出るのでバラなどの八重咲とは全然異なる形になります。この花が咲き出すと梅雨明け間近かを感じます。

 図鑑には「…昔、中国から観賞用か食用として持ってきたものが野生化したものと言われていいる。中国名萱草(けんそう)はこの属の植物をいい別名忘憂草。それでヤブカンゾウをワスレグサともよぶ。…」とあります。(2012.7.15)























             ゼニゴケ                        家の裏の通路

 昨年の秋から今年の春にかけて、我家の敷地にはコケが一杯生えてきました。家の裏には小さい石を敷き詰めていますので余り草が生えてきません、ところが、今年の春はコケで覆われてしまいました。隣家との境目のブロックの下にはゼニゴケが生えてきました。
 どうやら我家ばかりではないようです。考えられるのは昨年の1月26日の新燃岳の噴火のようです。噴火に伴って降灰がありました。火山灰は水を含み、水を通しにくい性質があるようで、コケの温床になってしまったようです。
(2012.6.15)






エゴノキ:
久方ぶりに御池に行きました。
池の傍に木は左程太くはないもののエゴノキが枝を広げていて、広い範囲でエゴノキの花が満開でした。この緑と白い花、春の盛りを感じます。木の下に立ったら、余りの美しさにうっとりです。エゴノキの花の咲いている期間は比較的短く、多分1週間もしたらもう花は咲いてないでしょう。
 エゴノキはエゴノキの実が「えぐい」ことからエゴノキという命名されたと聞いています。この実にはサポニンが含まれており、洗濯に使ったりした















オオカナダモ:
 温谷(ぬくだに)に水生昆虫を求めて温谷から流れ出る水路に行ってみました。水路にはオオカナダモがびっしりと繁茂していました。数年前に来たときにはオオカナダモはほとんど生えていなかったように思います。
 オオカナダモはその名の通り、外来種です。しかし、原産地はカナダではなく、南米だそうです。(2012.4.15)





ツルコウジ:
 3月の初旬に未だ冬枯れの御池の遊歩道を歩いていたら、崖に赤くて可憐な小さい実が目につきました。ヤブコウジに似ていますが、少し違うように感じられた。よく見ると、茎や葉に褐色の軟網があります。ヤブコウジは背が低いなりに立ち上がっているように見えますが、ツルコウジは地表にべったりとしがみついているように感じます。
                   (2012.3.15)